有機種子と種子消毒の話!消毒の与える影響と誤解とは?
種にも農薬や消毒をしている現状があります。なぜなのでしょうか?それに対して有機種子という存在。どちらもいいところを備えていますのでご紹介。
スポンサーリンク
種子消毒
種に農薬を使用するというのはどういうことなのでしょうか?
これは立枯病等、植物の生育初期に危害を加える病害に対処するためであり、使用することで発芽率を上げる目的があります。
実際、発芽するまでと、発芽してからは不安定であり一定量の収量を得たい農家にとっては、大きく貢献しています。このような処理や品種改良の結果、多くの場合、8割程度の発芽率をキープしていますね。
※袋には8割と記載されていますが、自然環境で発芽させる場合はそんなにうまくはいきません。
農薬が薄くコーティングされた種子のほか、球状に加工されたペレット種子やフィルム状にコーティングされた種子などがあります。中には農薬は含まず、粘土類を表面に被覆した物もあります。
また、ピンクや青などの目立つ色で色付けされているものもありますね。これは派手な色をつけることで、種をまくときに何粒蒔いたかわかりやすくするためです。実際非常にわかりやすいです。笑
この消毒や農薬の使用に関しては、植物の生育初期に危害を加える病害に対処するためのものであるため、収穫される青果物に影響をあたえることはまずないと考えられます。
正しい用法で使用された場合には、風雨にさらせれて、一定の期間経過た場合、青果物から種子消毒の農薬成分が検出されれることはほぼないとまで言われていますね。そのため、人体に与える影響はまずないと考えられています。
しかし、フランスではイミダクロプリドによる種子処理(種子コーティング)が導入された後、ミツバチ大量死事件が発生し、さらにはミツバチ全滅事件も発生したという事例も発生しています。
ミツバチの大量死や大量失踪の原因ははっきりと特定はされていませんので、何とも言えない部分もありますが、この事例によってイミダクロプリドによる種子処理は禁止され、ミツバチの大量死も改善されました。
また、種苗会社では種を袋詰めする際に農薬を吸わないようにマスクをして行うのが通例となっています。
そのため、青果物には残渣が少なく人体には影響がないかもしれませんが、そこまでの生育期、また種自信が悪い影響を与えることは十分考えられるため、恩恵もあると同時にその影響は考慮に入れなければいけません。
日本では有機農法であってもこのように種子消毒を施された種子を使用しても良いという風になっています。
消毒していない種を見つける方が困難だからですね。
その点、海外では種子消毒を行っていない「有機種子」を使用することを義務付けていることもあります。
スポンサーリンク
有機種子
日本ではまだあまりなじみのない有機種子ですが、欧米では、有機栽培において有機種子を使用することが厳しく定められています。
有機種子の定義というのは日本では定められていませんが、農薬・化学肥料を使用しないことや、採取後の種に消毒しないこと、遺伝子組換を行わないことなどが上げられます。
欧米での有機栽培では有機種子の使用が定められていると記述しましたが、その基底には以下のようなものが上げられます。
- 有機作物は、非有機作物から離れたところで栽培すること 。
- 有機作物の生産は土壌の有機物を保持または増加させ、土壌の安定性と生物多様性を拡大し、土壌圧縮及び土壌浸食を防ぐ耕作地活用及び栽培方法を用いること。
- バイオダイナミック農法を使用することができる。
- ミネラル窒素肥料を使用しないこと。
- 環境汚染しないこと。使用されるすべての作物生産技術は、環境汚染へのいかなる関与も回避し最小化するものであること。
- 病害虫によるダメージを防止するため、栽培する植物やロテーション、天敵、栽培技術などを考慮すること。
- 一世代以上、これらの規則に則した環境で生育した種子を使用すること。
となっています。
日本の有機農業は有機JAS認定などありますが、その不安点については様々議論がなされていますね。種子の消毒もその一つでしょう。
人が食べる時期や食べる部分には影響がないかもしれませんが、出来ることならば徹底した栽培を行ってほしいですよね。
しかし、消毒を施した種子は有機栽培ではうまく育たないと言われたりもしますが、んーそんなことはない気がします。
でも有機種子で栽培する農家は日本にはほとんどいないため、もしかしたら有機種子を使用した方が有機栽培では効果的なのかもしれませんが。笑
少なくとも種子消毒を施された種子を使用することで、有機栽培では「上手く育たない」ということはないですね。普通に育ちます。
以上が種子消毒と有機種子のお話でした。
スポンサーリンク