良質な堆肥の作り方とその働きが素晴らしすぎる!
農業における堆肥の働き。
その働きを知ってしまったら、堆肥の重要性に気づき、おののき、逃げ惑うだろう・・・。笑
それほどまでに、農業における堆肥の活躍はすごいものがあるのです。ご紹介します。
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堆肥には、アミノ酸を始め、大小さまざまなペプチドやタンパク質、有機酸や糖、セルロースをはじめとした炭水化物、微生物の分解物などが含まれています。腐植酸のように炭水化物が水に含まれるような形で含まれており、植物はこの炭水化物をセルロースの一部として使用することができます。
つまり堆肥は、土壌の団粒化構造を促進するとともに、植物に吸収されて繊維を作る資材としても活躍ができるのです。
なんだこの万能資材は・・・。
まあ、しかし不足するものもあるため肥料やボカシと併用して使うことになるのですが、それにしてもその活躍は大きいものがあります。
堆肥の働き
堆肥の効果として大きく4つに分けて紹介したいと思います。
① 土壌物理性の改善
堆肥を投入することで土壌の物理性の改善が見込めます。これには腐植が大きく関わっています。土壌の団粒化構造を促進している物質は腐植と言われます。
その腐植は当然土壌中にも存在するのですが、堆肥に含まれている水溶性の炭水化物も腐植として働きます。腐植は上記に記載している記事を見てもらえればわかるのですが、土壌中で糊のような働きをします。
そのため、土の団粒化を促進するのですね。団粒化が促進された土壌は空気の供給量がよく、根の張りがよくなります。
② 肥料成分の吸着
堆肥には腐植に似た物質が含まれ、カルシウム、マグネシウム、カリウムといった栄養素が存在しますが、中でも有機態窒素がとても重要働きをします。
有機態窒素についての詳細はこちらの記事に記載しています。
植物が無機態窒素を取り込んだ場合、体内で炭水化物と合成させアミノ酸を生成しますが、有機態窒素を吸収させることで、その過程をスキップすることができ、また、植物内で重要な働きをする炭水化物を供給できるだけでなく、無機態窒素がもたらす害を減少させることができます。
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③微生物の活性化
有用微生物の供給という点においても堆肥の投与は欠かせません。
そのため、堆肥の成熟度というのが重要になってきます。活発に働く微生物が豊富ということはその中に十分なエサがあるということです。
ここで完熟堆肥がいいか、中熟堆肥が良いかという別れ目になってきます。
しかし、勘違いしてはいけないのは、どちらがダメでどちらかが良いというわけではありません。
両者共に同時に投与することはないかと思うのですが、それぞれの堆肥を使用している農家で、素晴らしい結果を出しています。要はどの堆肥にはどの働きがあるかということを理解して、足りないものは他で補うということをしていけばいいのです。
ちょっと話はそれましたが、十分なエサがあるのは中熟の堆肥になります。完全に発行が済んでおらず、十分な炭水化物が含まれているためです。
④病害菌を抑制
良好な堆肥は、病害菌の増殖を抑制する効果があります。
この項目においても有用な微生物が如何に含まれているかが重要なポイントになってきます。そのため、完熟堆肥よりかは中熟の堆肥が効果的だと考えられます。
畑に投与された時点で微生物の密度は低くなってしまいます。そこでまた結束を高めてもらうためにはやはり餌が必要なのですね。完熟堆肥ではこの餌が十分に賄えないと考えられます。
ポイント
良質なたい肥を作るためにはいくつかポイントがあります。
温度
発酵温度は50から60度がいいとされています。
そのため、高温になりすぎないように定期的に空気を供給してやる必要があります。また、それにともなって水分量も調整する必要があります。
温度が高くなりすぎると、堆肥の中で分解されやすい成分だけが分解され、高温に強い微生物と難分解性の有機物が残ると言われています。
バランスの良い良質なたい肥にはならないのですね。
C/N比
C/N比(炭素率)とは有機物に含まれる窒素に対する炭素の割合を示す数値のこと。
微生物は炭素をエネルギー源、窒素をタンパク源として使用するためこの二つは欠かせない重要な存在になっています。
またその比率は微生物が効果的に分解を行う上で重要な数値になるのですね。
C/N比の最適は18から27程度と言われています。
原料となる有機物の比
有機物 | C/N比 |
---|---|
肉片、鶏糞、酒粕、油粕 | 5から10 |
牛糞、豚糞、おから、米ぬか | 10から25 |
麦わら、稲わら、もみ殻 | 60から80 |
樹皮、おがくず | 300から500 |
こうしたC/N比や水分量の違うものを組み合わせながら、適切な選択を行い堆肥を製作していくことが重要だと言われています。
以上が堆肥にまつわるあんなことやこんなこと。
その重要な働きがわかっていただけましたでしょうか。
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タグ:堆肥