植物におけるリンの働きとは?土壌のPHで施肥をしても無駄になる場合も!

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リン酸
今回は、植物におけるリンの働きについて紹介します。
そして、リンは日本の土中では植物が吸収しにくい形になることが多いという、興味深い内容も紹介します。謎多きリンの実態を見ていきましょう。

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リンの働き

植物におけるリンは、植物が成長していくためのエネルギーの源であるともいえるかもしれません。エネルギーの運び屋であるATPという成分を作り出すのに一役買っているのです。それは同時に、実を大きくする働きや、作物の成長を促進する働きへと繋がっていきます。

そのため、リンが欠乏してくると、花の数が減ったり、開花や結実が遅れるなど成長の促進にかかわる事態が発生します。

そんな重要な働きを行うリンなのですが、ただ土に投入すればいいという認識では、せっかく購入した肥料を無駄にしてしまう可能性があるんです。

 

 

植物が吸収できないリン

リン酸は、土中では移動がほとんどありません。人間が思っている以上に土中というのは様々な反応やらが行われているようです。窒素はその点リン酸と比べると大きく動くと言われているのですが、リン酸に動きはあまりないです。

土の中で移動しないということは、表面だけに肥料をまいてもいかんということですね。
さらに、リンを植物に施すというのは非常に厄介なところもあるのです。

 

その厄介なものには、日本の土の性質が関わってきます。
日本は火山灰土などが多いのです。火山灰土は酸性が強く、土中の鉄やアルミニウムなどがイオン態で活性化されて、何かと結びついて安定したがっているのです。

その相棒に選ばれてしまうのが、リン酸。

 

そして、リン酸鉄やリン酸アルミニウムは植物が根から吸収することができない形なのです。
となると、リンを施肥しなきゃ!と思いせっせと肥料を施しても、土にリン酸は堆積しますが植物は一向に吸収することができないのです。

 

これはきちんと理解していないと非常に無駄な行為をしてしまうことになりますし、土の過剰なリン含有率を引き起こします。おそろしや。汗

リンがこうして植物が吸収できない形になってしまう土壌というのは、火山灰土の次は、赤い土、次が黄色の土という順序になります。
砂土はこの値は小さく、田んぼの土も畑と比べると小さいといわれています。

 

 

逆に、植物が吸収できる形というのが、リン酸がカルシウムと結びついたもので、リン酸石灰というかたちです。その場合、リン酸水素イオン(HPO42-)、リン酸二水素イオン(H2PO4-)として根からリンを吸収し、光合成の暗反応の際に日中たくさん吸収した光エネルギーをATPとリン酸が結合することで化学エネルギーに変換して自身のエネルギーとしています。

 
 

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有効態リン酸

以上のように、土の中にリン酸があればOKというわけではないため、土壌分析でリン酸の項目を見てもそれが植物に吸収できる形のリン酸なのかわからないですよね。

そこで、一つの指標になるのが「有効態リン酸」。
農協や行政あるいは肥料業者などで土壌分析してもらうとこの項目があります。

また、有効態リン酸にはトルオーグ法、ブレイ2法、オルセン法という3つの分析法があり、北海道の草地ではブレイ2法、北海道の畑や本州ではトルオーグ法が利用されています。この分析法の違いによって、100gの土中にどの程度のリン酸が含まれていればいいかが変わってきます。

これできちんと自分の圃場を管理することが重要になってくるのですね。

 

 

リンの未来

リンと植物の関係というのは、非常にミステリアスな部分が多く、農業従事者でも理解をせずに現場に立っているということが珍しくないそうです。

それは科学者にも言えるのですが、近年の研究で明らかになってきていることもあるようです。

 

理化学研究所(野依良治理事長)は、リンが不足した環境でも植物の生育を維持する糖脂質「グルクロン酸脂質」を発見し、その生合成に必須な「SQD2遺伝子」を同定したという報告を行っています。

まあ、これだけでは何を言っているかわからない感じなのですが、要は植物にリンが欠乏した場合、グルクロン酸脂質という物質がそのストレスを緩和する働きがあるそうです。

そのグルクロン酸脂質という物質が生成されるのに関係がある遺伝子を特定することができたため、それを利用してリンが欠乏した状態に体制のある植物、つまりリンが今よりも必要としないような植物が作れる可能性があるということです。

 

こういった植物を生み出すのならば、おそらあく遺伝子組み換えになるのか・・・それかグルクロン酸脂質を多く生み出す品種を交配で生み出していくのか・・・。

 

いずれにせよ、肥料の原料に使われているリン鉱石はその生産を少ない国に頼っている状態であり、日本はリン鉱石を生産せず,100%輸入に依存しています。

資源が尽きるのも時間の問題と言われています。

今後どのようにして、リンと人間がかかわっていくのか・・・。
それによって、我々の食事情は大きく変わってきそうですね。

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