植物のマンガンの働きとは?葉が黄色くなったら欠乏・過剰のサイン!
微量元素でありながら、重要な働きを示すマンガンの働きを紹介します。人間では「愛情のミネラル」なんて呼ばれているマンガンは、一体どんな活躍を見せてくれるのでしょうか。
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マンガン
マンガンと聞くと、我々一般人は電池のことを思い浮かべますよね。笑
実は、植物の体内でも、電池と同じように酸化還元反応が行われています。電子をやり取りしていろんなものを合成したり分解したりしているのですね。
マンガンはその中でも、光合成において水から電子を取り出す時に酸素が発生するという過程で触媒として働いています。
触媒・・・高校の頃やりませんでしたか?笑
あの化学反応がものすごく早まるために反応物の側におかれる金属たちです。たいてい化学反応を示す式の矢印の上に小さく書かれていることが多いです。笑
あの働きを植物生体内でするのです。
そのため、マンガンがあるのとないのとでは、光合成量が大きく変わってくるそうです。光合成は言わずと知れた植物体内で必要不可欠なエネルギーを作り出します。
また、酸素を中心とした酸化還元反応にも関わります。活性酸素という物質は、植物体内で悪い菌を退治してくれる働きもするのですが、細胞を傷つけたりもします。マンガンはこの活性酸素を、SODという酵素と結びつくことで退治してくれます。
特にマンガンはミトコンドリア内で働いてくれます。ミトコンドリアは意外と知られていませんが、生体内では活動に必要な様々なエネルギーを生産する場所であるため、活性酸素を除去する働きはとても重要です。
植物の必要元素というと、三大要素のカリ・リン・窒素が有名ですが、マンガンも非常に重要な働きをしてくれるのです。
欠乏
マンガンが欠乏した際には、どのように見分ければいいのでしょうか?
植物が示してくれるサインは次のように順を追って変化していきます。
まず側枝についている成葉からゆっくりと黄色く変色していきます。
↓
次第に上側の葉も黄色い変色が見られてきます。
↓
さらに欠乏状態が続くと、葉に白い斑点状の壊死斑が出来ます。
http://plaza.rakuten.co.jp/swan018/diary/?ctgy=10引用
これをみて、黄色に変色?となった方もいるかと思います。
実は、マグネシウムが欠乏した際のクロロシスという現象と非常に近いのです。
この見分け方は、マンガンが欠乏した際は、マグネシウムが欠乏したときのような葉全体が完全に黄色くなってしまうという症状ではなく、青々としていた葉が薄緑、次第に部分部分が黄色くなるといった症状が見られます。欠乏状態が長く続くと、葉の一部で白い斑点ができるという点でも見分けがつくかもしれません。
古葉で症状が出るのがマグネシウムという点も大きなポイントかもしれませんね。
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過剰
マンガンは過剰でも黄色く変色します。上に位置する葉に変色が見られます。
マンガンの過剰症に弱い種類の植物は、褐色の小斑点や葉脈の着色が見られる場合もあります。
マンガンは、土壌pHがアルカリ性に傾いている場合は、不溶性になってしまい土壌中にマンガンがあったとしても、植物が吸収できない形になります。そのため、欠乏症状は土壌がアルカリ性の場合が多く、強い酸性土壌では過剰症状の可能性が高いです。
人間
マンガンは人間にとっても微量元素でありながら、結構重要な働きをするんですよ。
人間における欠乏症状の主な例は
- 骨の発育低下
- 生殖能力が低下
- 血糖値が上昇
- 運動失調
など。
中でも気になるのが「生殖機能」でしょう。笑
実はマンガンは、男性のインポテンスや女性の生殖不能症などにも大きく関わっており、女性の乳腺を始め健康的な腺の維持には必要な成分なのです。
乳牛の場合1年に1頭産むのが3年に1頭程度になり、乳牛のお乳を搾ろうとすると乳房に触れられるのを嫌がり蹴ろうとする牛が出てきたりするそうです。
人間においても、マンガン欠乏で乳幼児の死亡率が上がったりします。また、幼児虐待などの「子供をかわいがらない」症状もマンガンの欠乏症状が引き起こすものだと言われています。
こうした経緯からマンガンは「愛情のミネラル」と言われています。意識して摂取するようなものではないかと思いますが、結構重要な働きを示します。
でも過剰摂取は神経過敏症などを引き起こすそうですので、お気をつけて。
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