規格外野菜の利用が難しい6つの理由!無料販売は吉か凶か!
規格外品を扱うのが難しい6つの理由!
この世にいったんできてしまったシステムは根強く、なかなか変革は難しいです。この記事を読んでいただけるとそれを強く痛感するかと思います。汗
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収穫をしない
農家は、出荷できない野菜をわざわざ収穫をしたりしません。
出荷先によって、契約している配送屋さんが野菜を取りに来る時間が大まかに決まっており、収穫作業と梱包作業は毎日バタバタです。
そのため、出荷できる野菜を可能な限りのスピードで朝収穫してしまいます。その段階で出荷できない野菜をかまっている余裕はないのですね。
収穫しない野菜たちは、そのまま畑に生やしておき、トラクターのロータリーで畑にすき込む場合もありますし、出荷できない野菜を時間のある時にまとめて収穫し、それをたい肥場や、棄てる野菜置き場のような場所にまとめて持っていく場合もあります。
そのため、このような野菜を市場にで回せようとしたりする場合は、価格にもよりますが農家が収穫してくれるとは考えない方がいい為、自分で畑に出向き、収穫する必要が出てくるということを考慮に入れないといけません。
限られた期間
さらに、上記にも記載しましたが、畑のサイクル上いつまでも畑に残しておくわけには行きません。
農家の畑のサイクルはかなりシビアで、北海道とかになると冬場に作物を栽培できないために、収穫を終えた畑はすぐにトラクターで起こされ、たい肥がまかれ次の作物の栽培環境を整えます。
その限られた期間で需要と供給が合うのか・・・という問題はあります。
安定供給できない
そして、安定した一定の量が都合よく出ないという問題もあります。契約農家の場合、契約先への出荷物が契約した量を供給できるように栽培計画を立てるため、一定量の供給が可能です。
栽培状況が悪く、契約した量を達成できない場合は早期に判断し、相談を行うこともできます。
しかし、規格外品は「これだけ出そうだ」という予想ができないし、一定量を安定して確保することもできません。
これは卸先と生産者の間で非常に厄介な問題になるかと思います。
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価格の低下
規格外野菜は、やはり普通に出回っている規格を満たした野菜よりも安く提供される場合がほとんどです。
そうでないと、「規格外」の意味がないからですね。
しかし、昨今配送をするトラックの燃料価格が上昇していますよね。そういった背景も相まって、価格が低下した規格外野菜を配送することは、元を取れないという状況を生み出す場合があります。
つまり、出荷すればするほど、農家は赤字になっていくということです。
こういった状況で「無駄をなくしたいから」という素晴らしい理想をもとに出荷を続ける農家はいないでしょう。
「食べられる野菜」をわざわざ捨てるのは生産者が一番したくないことのはずです。自分で育ててきた野菜ですからね。
しかし、出荷したら赤字になってしまうものにかまうことはできないのです。
規格を満たした野菜への影響
もし、赤字にならずに出荷できたとします。
しかし、それは同時に本来勝負したい規格を満たした野菜への影響が考えられます。
つまり、安くて国産で味も変わらないと消費者がわかれば、そっちを買いに走ってしまって、本来勝負したい規格を満たした野菜が売れなくなってしまう場合があるということですね。
これも農家にとっては不憫な状況を生み出します。
JAに全量出荷
最近でこそ契約栽培、契約農家という言葉が広く認知度が上がりました。
先に契約を行ってからそれに合った栽培計画を立てていくものですね。
また、農家が独自に販路を広げ、販売を行っていくということが多くなりました。
しかし、まだまだ農協の力は絶大で、そこから脱却をしていない農家が大半です。悪いわけではないのですが、農協に集荷している場合、全量出荷の契約をする場合があります。
つまり、他には売ってはいけないのです。農協が定めた規格に適したものを全量農協に出荷し、規格にそぐわないものは破棄するしかないのです。
そのため、規格外品を扱おうと思ったらこれは大きな壁になるかと思います。
以上が規格外品を扱う上で難しいとされる6つの理由。
細かく言ったらもっともっとあるかもしれませんが、こういった要素をクリアしていかないと、ただ「無駄をなくしたい」という思いだけで行動を起こすとどこかにひずみを生みます。
非常に難しい問題になっています。
お金の使い道に困っているどこかの大富豪が募金をするように、規格外野菜を定期的に収集し、それを海外の飢餓地域にまとめて輸送するということを行ってくれないかな。笑
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