【ハイポ二カ農法】土を障害と捉え、水耕栽培を推進する農法!
土に疑問を感じ、土から脱却する農業。
それがハイポ二カ農法。
個人的には農業は土があったればこそ!と思っていますがこうした考え方がないと、発展が進まないですからね。
ご紹介します。
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土が障害?
農業と言えば、土から作物が合えている情景を思い浮かべます。それはなぜそうなのか、なんていう理屈を考える人はいません。
産まれた時からそうだし、理屈ではなく、それが自然であるからです。
しかし、ハイポ二カ農法ではそこにまず疑問を持ちました。
「土」が農業にとって障壁ではないか・・・と考えたのです。
確かに思い当たる節はありますよね。
土にある栄養素では人間をまかないきれなくなってしまい、化学肥料を投与するようになりました。そして戦争で余った毒薬などが農薬として投与されるようになります。実際、化学肥料によって供給される無機態の窒素は虫を引き寄せることがわかっています。そのためにも、農薬は欠かせなくなりました。
しかし、今度は自然界にはない化学物質を投与するために土壌汚染へと繋がっていきます。
そこで、今度は古来から行われてきた有機農法に目が向けられます。ですが、有機農法は土づくりから始まります。土壌内で活動する微生物を豊富にし、適切な水分量を与え、土壌の団粒化構造を促進させます。
微生物を活発にするために、酸素を供給します。堆肥や肥料を発酵させ、土壌分析を行って不足している栄養素を分析して供給します。
土づくりは、やはりそれなりの技術が必要になってきますし、科学的にも土壌内については不明な点が多々あります。
また、ハイポ二カ農法は土は根が張るのにも物理的に抵抗があるという視点に立ちます。ハイポ二カ農法を提唱した故・野澤重雄氏はアンコール・ワットを見て
「しかしながら土中いっぱいに詰まった石や礫、土砂などの粒子に邪魔されながらの難行苦行を想像するにいたって、しだいに感想が悲しみに変わってくるのは私だけでしょうか。」
という感想を持ったと言います。
確かに。笑
当たり前すぎて考えたことがありませんでしたが、言われてみればそうです。
根は、体を支える重要な働きをし、同時に水分や栄養素の吸収をしています。つまりその点を代替え出来れば、土ではない環境で生育が可能になると野澤重雄氏は考えました。
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水耕栽培
ここまでくれば何となくわかるかと思いますが、ハイポニカ農法は、水耕栽培なのです。
土を離れて水に場を求めたのですね。
しかし、土の管理をしなくてもよくなりましたが、水の管理が必要になってきます。
そこで、ハイポ二カ農法では、水の温度・PH・肥料濃度・酸素量を管理し、植物にとって最適な根圏環境を実現しました。水の管理なども含めてハイポ二カ農法の特徴をいくつか紹介します。
流速を与え、養液を循環
田んぼなどでも、平地にある田圃よりも川の流域近辺にある田んぼの方が、収量が多くうまみの多い米が育つと言われています。
そのため、ハイポ二カ農法でも水を循環させて栽培しています。また、この循環させる過程で、空気も混入させています。これによって根の呼吸作用を促進させているそうです。
同一組成、同一濃度の肥料を投与
これも非常に面白い取り組みなのですがハイポ二カ農法では、どんな成長過程でも、どんな品種でも肥料の濃度や配合を変えて投与するということはしません。
常に同一組成、同一濃度のの液肥を投与しているのです。
肥料設計を行わなくてもいいというのは、誰でもできるという大きなポイントになりますよね。
また、こうした農法によって、ハイポ二カ農法では通常の土耕栽培よりも成長のスピードが速く、収量も3~4倍になると言われています。さらに、スペースも大きくとらずに栽培が可能です。
以上が土から離れたハイポ二カ農法。
土ありきの農業ですが、非常に面白い考えです。
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